宗教儀式に

ろうそくはまた、多くの宗教の儀式においても用いられてきた。これは多く光の象徴として用いられる。

伝統的なキリスト教の祭儀では、祭壇の上にろうそくが献じられる。正教会の奉神礼、ローマ典礼いずれの典礼書でも、聖体礼儀(正教会)、聖体祭儀(カトリック教会の、いわゆるミサ)においてろうそくを灯すことが義務づけられている。正教会・東方典礼では、蜜蝋を用いるのが好ましいとされる。また死者のための祈祷(埋葬式・パニヒダ)や復活祭(正教会では復活大祭)の祈祷では手に灯りをともしたろうそくをもって礼拝に参加する。復活祭のろうそくは地方によってはそのまま家に持ち帰り、家庭の火を灯すのに使われることがある。

日本の仏事においてもろうそくは欠かせない道具となっている。お盆やお彼岸におけるお参り、寺社参拝時には線香とともにろうそくを燭台に立てるのが一般的である。このろうそくの淡い光は仏の慈悲によって人の心を明るくするものとも、先祖が子孫(つまり立てた本人)へ生きるための光を導き出す一種の道標ともいわれている。
基本的に仏事に使うローソクは和蝋燭を用いるのが正しい。それは材質の違いで、過去には洋ろうそくは動物性油(鯨・魚類)等の油が原料であり、いわゆる【なまぐさもの】命を殺めてはいけない、命のあったモノを使えないといった理由から使うことができないためである。これは精進料理と同じ考えと言えよう。その点、和蝋燭は植物から採取出来る油を使用している為に問題にはならない。
なお、現在売られている仏事用ろうそくの多くは洋ろうそくであるが、石油パラフィンから作られているので問題は無い。
仏事において蝋燭の色は白・朱(赤)・金・銀の4色である。白は通常のお参りの時に灯す。朱(赤)は法事(年忌法要)・祥月命日・お盆・春や秋のお彼岸の時に灯す。金は仏前結婚式(挙式)のお祝いの時に灯す。銀は通夜・葬儀・中陰の時に灯す。

宗教・宗派によらない慰霊式でもろうそくが用いられる。事故や災害現場での慰霊式典などで犠牲者の数と同数のろうそくが灯される事がある。故人を偲ぶ伝統行事であるろうそく流しにも通じるものがある。